大正時代の自家発電所

先日、豊田市のある地区に遺されている
大正時代の自家発電所を拝見してきました。
近代化遺産として非常に素晴しい遺産です。
遺産の一部だけですが、写真で紹介します。
(個人のお宅の敷地内にあるので場所等詳しい情報は紹介しません。
あしからずご了解下さい。
公開されるようなことになれば、また別に紹介したいと思います。)

「発電小屋」外観
この木造の小屋が発電所です。
大正4年に、自宅内の工場の照明用の電気をおこすために設置したそうです。
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現存する木造の「発電所」としては最古級になると思います。
発電は大正4年から昭和34年まで行っていたそうです。

発電機と配電盤
当初の設備が奇跡的にのこっています。

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発電機は「奥村電機商会」製。直流です。
発電量は2kw。
コイル外径36cm、軸幅最大63cmです。
配電盤は電圧計が失われていましたが、
20Aの電流計等が健在でした。
ここから送られた電気で
工場の電球約20個ほどを灯していたそうです。

発電用の水車
発電小屋の地下に設置されています。
発電用の水車としては珍しく、
タービン型ではなく、在来型の水車です。
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水車を横から見たところ
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バケットはスポークで支えています。
直径1.4mほどです。

歯車
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水車の軸を受ける歯車です。
動力伝達機構もほぼ完全に残っています。

プーリーとベルト
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発電のほかにも、
製材(丸ノコ盤)や精米用(米搗き)に水車の動力が使われていたそうです。
発電小屋の地上部分にもその跡があります。

当初の堰堤は失われていましたが、
このほかに川から水を引いてくる導水路の跡および排水路などは
ほぼ当時の姿を復元できる良好な程度に遺されており、
近代の自家発電所のシステム全体を良好に見ることができる
稀有な例だと思います。

この遺産が、文化財に登録または指定となって
将来にわたって保存・活用されることを強く願います。

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この記事へのコメント

入潮
2007年04月10日 01:20
おぉ。クロスフロー水車ですね。
(実際は「クロスフロー」は後の商品名から流行った名前で、当時は別の名前があったと思います)
大正から入ってきていたとは、驚きです。
ミャンマーやラオスの、照明のための村落電化事業では、写真で見せてくださったのと似たようなものが沢山あります。
涙ぐましいほど材料を節約して、村人が苦労して作っていました。
日本もそういう時代を経て、今になったのかと思うと、感慨深いです。
MOJO
2007年04月11日 00:04
入潮様
現代のとは違ってガイドベーンも何もないですが、
この水車、クロスフロー型のものになるのですね。
水は川の屈曲部分を利用した自流式で、
単純に流れを水車に当てている感じの装置です。
水車へは中落ちで水を当て、
水流が多い場合には通常よりも下に水を当てるようにしたそうです。
その角度の調整は、滑車の先につけた鉄板の上げ下げによったそうです。

この発電所の近くのほかの自家発電所(地域住民用)では、
高圧水管に土管を用いて破裂させたり、
軸に油を差さずに?水車を回して一日中焦げ臭かったり、
笑い話のような苦労があったということです。

それが当たり前のように電気を使っている今から
ほんの90年前の話ですから、
この間の変わりようはすごい事だと思います。
入潮
2007年04月11日 02:18
すみません。よく見ると、水流が羽根の中に入っていかない形の水車なので、クロスフローではないようです。訂正させてください。
(クロスフローの原型が、ガイドベーンのないもので、バンキ水車といいました)
それでも昔の水車よりはずっと進歩していますね。

ペンストックに土管。鉄管の加工も大変だったかと思います。
ミャンマーで、ドラム缶を溶接して繋いで水圧鉄管としているのを見ました…
過渡期の技術を見るのは、苦労と工夫が偲ばれて、楽しいです。
そして、ここ100年がいか激しい変化にあったものだったかを感じます。
MOJO
2007年04月12日 00:10
入潮様
ご教示ありがとうございます。
本当のところどうなんだ、という判断がつかなかったので、
教えていただけると助かります。
この水車の形にしたのも、
きっとこの発電小屋を建てる環境・条件にあわせて
工夫を重ねての事なのでしょうね。

この発電所の所有者さんのお宅のお蔵の中には、
発電関係の資料がいくつか残されていました。
その一部をお借りしています。
発電小屋を設計した人物など、
資料の中に技術者の姿を見つけられるといいなと思っています。
laquinta0657
2012年02月07日 22:40
初めまして、発電機の奥村電機の縁者ですので、是非見学させていただきたいと、熱望しております、出来れば詳しいお話をさせていただきたいです。現存の発電機は北陸電力さんと、福井勝山市役所と少ないので、是非確認できればと期待しています。私の
E-mail alameda1313@ybb.ne.jp 田中 耕作です。
http://www.thbsf.com/
2013年09月23日 13:25
突然訪問します失礼しました。あなたのブログはとてもすばらしいです、本当に感心しました!

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